ほくろ除去
唇の黒い点は、ほくろ? シミ?
はじめに
鏡を見たとき、唇に小さな黒い点があるのに気づいたことはありませんか?「前はなかった気がする」「少しずつ大きくなってきた」「口紅を塗っても、うっすら透けて見える」「取れるものなら取りたい」。そんなとき、「唇にほくろができた」と思う方もいらっしゃるでしょう。
唇のほくろも、レーザーで除去できます。当院では、小さいものから大きいものまで、唇のほくろに幅広く対応しています。
唇の黒い点は、ほくろではなくシミのことも多数あります。当院では、まず何であるかをダーモスコピーで確かめてから、治療を考えます。
この記事では、唇のほくろの見分け方、できてからの経過、気をつけたい変化、レーザーでの取り方、取ったあとのこと、そして料金まで、当院の症例とあわせてご説明します。

1. 唇にほくろみたいな黒い点。本当にほくろ?
唇の黒い点がすべてほくろとは限りません。唇の部分だけにある平らな黒い点は、ほくろではなく、シミの一種(口唇メラノーシス)であることが多いです。ほくろは、ほくろの細胞つまり母斑細胞が増えてできたもので、シミは、メラニンという色素が沈着しているだけのものです。
どちらなのかは、見た目だけでは区別がつかないことがあります。そこで当院では、皮膚科医の聴診器ともいうべきダーモスコピーという特殊な拡大鏡で確かめます。表面の反射光を除いて観察することで、表皮より深い真皮の上のほうまで、メラニンや血管の模様が見えるようになります。
次の写真は、唇の黒い点をダーモスコピーで見たものです。

黒い丸のようなメラニンのかたまりが多数見られます。これはほくろの所見で、シミではありません。
また、平らな黒い点でも、ほくろの場合があります。次のケースは、平らな色素斑を肉眼とダーモスコピーで見たものです。

これは平らで茶褐色の色素斑です。

ダーモスコピーで見ると中央が濃褐色、周囲は淡褐色に薄くなっています。これはほくろと診断した症例です。
2. 小さい頃からの唇のほくろが、大きくなることはある?
唇のほくろで受診される方には、「小さい頃からあって、少しずつ育ってきた」という方もいらっしゃいます。当院の症例にも、小さい頃からあった唇のほくろが徐々に育ってきた方(20代女性の症例)や、10年ほど前に唇にほくろが出て、だんだん大きく広がってきた方(20代女性の症例)がいらっしゃいます。
唇のほくろは、色も膨らみも一人ひとり違います。同じ方の唇に、色も形も膨らみの程度も違うほくろが並んでいることもあります。ほくろの色の違いは、メラニンがどのくらいの深さに、どのくらいの量あるかで決まります。
3. 大きくなった気がする。ほかの病気ということもある?
「前より大きくなった気がする」「形が変わってきた」。そんな変化に気づいて、がんではないかと気になる方もいらっしゃるでしょう。
当院では、唇のほくろを取る前に、いつもの検査としてダーモスコピーで悪性のものではないかを確かめています。ほくろからまわりに色が染み出しているように見えるものなどは、悪性のメラノーマ等との区別をしっかりしなければなりません。こうした場合も、良性のほくろであることを確認してから治療を考えます。
また、「ほくろを取ってほしい」と来院された方の唇の点が、ダーモスコピーで見ると静脈系の血管腫だった、ということもあります。
唇の黒い点が何なのかは、見た目の変化から自分で決めず、診察で確かめることが大切です。

4. 唇のほくろは、レーザーで除去できるか?
唇のほくろは、レーザーで除去できます。当院では、ダイオードレーザーやアレックスレーザーを使っています。
ただ、皮膚から唇にかかって盛り上がったほくろの除去は、ほくろ除去の中でも難しい施術の一つです。唇は動きの多い部位で、盛り上がった傷あとや瘢痕になりやすく、赤くなったり、白く色が抜けたりすることもよく知られています。
そのため当院では、熱を入れ過ぎないことを基本にしています。それでも、その方の肌質によって、同じように照射しても反応は異なります。皮膚と唇にまたがるほくろでは、上唇の山の形(キューピッドボウ)のラインを、いかにきれいに残すかが大切です。
また、レーザーなら何でも同じ、というわけではありません。シミを取るためのQスイッチルビーレーザーでは、盛り上がったほくろは除去できません。だからこそ、先に何であるかを確かめることが大切です。
5. 除去後、跡は残る? 1回で取れる?
一般的に、鼻の下から唇の範囲は、ほかの部位に比べて瘢痕になりやすい部位です。どんなレーザーでも、手術でも、白くなる、白く膨らむ、赤みが出る、へこむといった反応が起きる可能性があります。当院では、治療前に傷あとが残る可能性もご説明しています。
1回で取り切れるかどうかは、ほくろの大きさやその方の肌質によって変わります。再照射が必要な場合は、ほくろの位置や性状、大きさ、隆起の有無などに応じ、1〜2か月程度の間隔をあけます。
唇にほくろがいくつもある方は、診察でご相談のうえ、まず大きいものから取ったり、まず1個だけ取って様子を見たりすることもできます。
6. 唇のほくろ除去の料金は?
唇のほくろ除去の料金は、11,000円〜(税込み)です。色調、深さ、部位、隆起の度合いによって変わります。
この記事の実例にも、それぞれの料金を添えています。ほかの症例と料金は、口唇(くちびる)のほくろ除去のページでご覧いただけます。
実例
当院で唇のほくろを除去した症例です。ほかの症例は、口唇(くちびる)のほくろ除去のページをご覧ください。
① ダーモスコピーでほくろと確かめ、1回で除去した例

第1節でダーモスコピーの画像をご覧いただいた唇のほくろです。シミではなく、ほくろでした。アレックスレーザーにより、1回で除去できました。
- 治療内容:アレックスレーザーによる唇のほくろの除去(1回)。保険適用外の自由診療です
- 費用:33,000円(税込み)
- この治療の主なリスク・副作用:浮腫、発赤、凹み、瘢痕 など
- 効果・経過には個人差があります。
② 悪性のものではないかを確かめてから除去した例

ほくろの本体から、右側に色が染み出しているように見えました。悪性のメラノーマとの区別が必要なため、ダーモスコピーで良性であることを確認してから除去しました。自然な仕上がりになっています。
- 治療内容:ダイオードレーザーにより、ほくろを変性・壊死させます。保険適用外の自由診療です
- 費用:33,000円(税込み)
- この治療の主なリスク・副作用:浮腫、発赤、凹み、瘢痕 など
- 効果・経過には個人差があります。
③ 少し白く抜けた例


- 治療内容:ダイオードレーザーにより、ほくろを変性・壊死させます。保険適用外の自由診療です
- 費用:33,000円(税込み)
- この治療の主なリスク・副作用:浮腫、発赤、凹み、瘢痕 など
- 効果・経過には個人差があります。
ご来院からアフターケアまでの流れ
当院で唇のほくろを除去するときの、ご来院から施術後のケア、再診までの流れです。
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ご来院・カウンセリング
ほくろ除去は予約ができません。ご都合のよい日に受診してください。ほくろ除去施術同意書をダウンロードし、ご署名いただいて、ご来院の際にご持参ください。診察したその日に施術を受けることが可能です。レーザーによるほくろ除去のリスクと副作用を、事前にお読みいただきます。唇は跡になりやすい部位なので、傷あとが残る可能性もご説明しています。治療内容とリスクをご説明し、ご希望を伺ったうえで、治療を受けるかどうかを決めていただきます。
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ダーモスコピーで確認・写真撮影
拡大鏡であるダーモスコピーで、ほくろが悪性か良性かを確認します。施術前の状態は忘れてしまいやすいため、写真に撮って、あとで見比べられるようにしておきます。
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レーザー照射
麻酔は通常しません。照射は秒単位で終わります。施術後に軟膏を付けることはありますが、ガーゼや絆創膏で傷を覆うことはありません。
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ご自宅でのケア
- 当院で処方された炎症止めの軟膏を、スキンケアのあとに朝と晩、数日間塗っていただきます。使用する期間は、処方時の説明に従ってください
- 水ぶくれになった場合や炎症を早く治すために、炎症止めの飲み薬をお出しすることがあります。服用方法は、処方時の説明に従ってください
- テープで保護しないでください
- 洗顔やお風呂は構いませんが、施術した部分をこすったり、刺激したりしないでください
- 施術した部分へのメイクや口紅の使用は、当院の説明に従ってください
- かさぶたができたら、無理にはがさず、自然にはがれるのを待ってください。無理にはがすと、出血や赤み、へこみが出ることがあります。かさぶたができないこともありますが、特に問題はありません
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再診
1〜2か月後にご来院いただき、経過を確認します。再照射が必要な場合は、ほくろの位置や状態、大きさなどに応じ、前回の照射から1〜2か月程度の間隔をあけて行います。
おわりに
要点を整理します。
- 唇の黒い点は、ほくろのこともシミのこともある。平らでもほくろのことがあり、見た目だけでは区別がつかないものもある。
- 唇のほくろは、小さい頃からあって少しずつ育ってくることもある。
- 取る前に、ダーモスコピーで悪性のものではないかも含めて確かめる。
- 唇のほくろはレーザーで除去できる。ただし唇は跡になりやすい部位で、1回で取り切れないこともある。
唇に気になる黒い点があり、取りたいとお考えでしたら、まずは診察で何であるかを確かめるところから始めましょう。
よくあるご質問
唇の黒い点が平らなら、シミと判断できますか。
平らだからシミとは判断できません。当院の症例にも、平らな色素斑をダーモスコピーで確認し、ほくろと診断した例があります。
唇のほくろは、レーザーで取れますか。
除去できます。当院では、ダイオードレーザーやアレックスレーザーを使っています。唇にかかって盛り上がったほくろの除去は、ほくろ除去の中でも難しい施術の一つです。
1回で取れますか。
1回で除去できる場合と、複数回の照射が必要な場合があります。ほくろの大きさやその方の肌質に左右されます。再照射が必要な場合は、ほくろの位置や状態、大きさなどに応じ、1〜2か月程度の間隔をあけます。
唇のほくろを取ると、跡が残ることはありますか。
唇のほくろ除去では、傷あと(瘢痕)が残ることがあります。白くなる、赤みが出る、へこむなどの反応が起きる可能性があるため、当院では治療前にご説明しています。
唇にほくろがたくさんあります。一度に全部取らないといけませんか。
一度に全部でなくても大丈夫です。診察でご相談のうえ、まず大きいものから取ったり、まず1個だけ取って様子を見たりすることもできます。
治療の概要(自由診療)
- 治療内容:ダーモスコピーで診断したうえで、ダイオードレーザーまたはアレックスレーザーの熱によって、唇のほくろを変性・壊死させます。保険適用外の自由診療です
- 費用:唇のほくろ 11,000円〜(税込み)。色調、深さ、部位、隆起の度合いによって変わります
- 治療の回数・期間:1回で除去できる場合と、複数回の照射が必要な場合があります。再照射が必要な場合は、ほくろの位置や状態、大きさなどに応じ、1〜2か月程度の間隔をあけます
- 主なリスク・副作用:浮腫、発赤、くぼみ、色素脱出、肥厚性瘢痕 など。鼻の下から唇の範囲は、ほかの部位に比べて瘢痕になりやすい部位です
- 効果には個人差があります
- お問い合わせ:大山皮膚科 電話 03-3880-0776
※本コラムは医学的情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。気になる症状がある方は当院にご相談ください。
あわせてご覧ください
記事監修者
大山 克巳大山皮膚科 院長
日本皮膚科学会認定専門医/慶応義塾大学皮膚科開業医会会員
参考文献
- Blum A, Simionescu O, Argenziano G, et al. Dermoscopy of pigmented lesions of the mucosa and the mucocutaneous junction: results of a multicenter study by the International Dermoscopy Society (IDS). Arch Dermatol. 2011;147(10):1181-1187. doi:10.1001/archdermatol.2011.155
- Lin J, Koga H, Takata M, et al. Dermoscopy of pigmented lesions on mucocutaneous junction and mucous membrane. Br J Dermatol. 2009;161(6):1255-1261. doi:10.1111/j.1365-2133.2009.09251.x
- Lee JS, Mun JH. Dermoscopy of venous lake on the lips: A comparative study with labial melanotic macule. PLoS One. 2018;13(10):e0206768. doi:10.1371/journal.pone.0206768





